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Written by: Copperleaf

COP26閉幕:目標宣言からプラン策定へ

2021年12月3日 ダーウェン・ノズドリン=プロットニッキ(Dawen Nozdryn-Plotnicki

 

英国で開かれていた国連機構変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は、予定会期を1日延長し11月13日に閉幕。世界中の国や組織が宣言した目標を実践に移す段階に移行しました。

2015年のパリ協定では世界の気温上昇を1.5度以内に抑えることが目標に定められましたが、この目標が達成されていないことを受け、今年のサミットでは気候変動対策を加速させることを目指しました。2週間の会期中、サミット参加者は、石炭火力発電の段階的な削減、メタン等の温室効果ガス排出量の削減、地球温暖化対策のための民間資本の動員、森林破壊停止などの対策に取り組むことを表明しました。

長期的な取り組み

サミット参加者と専門家の意見は、COP26により気候変動問題への取り組みに一定の進展は得られたものの、表明された目標では不十分であるという見解で一致しています。

2021年だけでも、深刻な暴風雨や洪水、干ばつや森林火災まで、世界中で驚くほど多くの甚大な自然災害が発生したほか、急速な海面上昇により島国が危機にさらされています。

 

COP26では、ツバルのサイモン・コフェ外相が膝まで海に浸った状態でスピーチを行い、ツバルを含む太平洋地域諸国が直面している差し迫った危機を印象付けました。写真:ツバル外相/ロイター

気候変動対策目標を達成できなければ、さらに深刻な影響がもたらされます。1度、0.5度でも気温上昇を抑えることが重要です。

こうした悲惨な状況を受け、COP26参加国には今後10年間に向けたより積極的な温室効果ガス削減目標を定め、来年11月にエジプトで開催されるCOP27で追加協議を行うことを要請されました。地球温暖化対策には5年ごとの見直しを求められていましたが、今回のCOP開催方法の変更は、地球温暖化対策関連イニシアチブの影響を今までよりも適切に測定および予測することが緊急的に必要とされていることを明示しています。そのため、政府、規制当局、投資家は、急速なスピードでより積極的な地球温暖化対策政策を採用する方向に動いています。

今後のプラン

気候危機に対する特効薬はありませんが、地球温暖化の抑制には、一貫性した政策、イノベーション、大規模かつ的を絞った投資を組み合わせることが重要です。国際エネルギー機関(International Energy Agency;IEA)は、地球の気温上昇を1.5度以下に抑えるためには、今後30年に渡り年間5兆ドルの投資が必要であると予想しています。気候変動対策にこのような先例のない大規模な投資を行うためには、公的資金だけでなく、民間資金も必要であり(1兆ドルの米インフラ法案や、先日発表されたネットゼロのためのグラスゴー金融連合(Glasgow Financial Alliance for Net Zero;GFANZ)からの130兆ドルの民間資本など)、業界側には速やかに既存インフラの強化、革新的な新興テクノロジーの採用、適時・適切な投資を明確に示すことが求められています。

目標設定から実行へ

業界リーダーは、財政目標を達成し、顧客、従業員、投資家の期待に応えると同時に、ネットゼロに大きく貢献するための積極的なESG(環境・社会・ガバナンス)目標を設定し、達成しなければならないという途方もなく大きな課題を抱えています。一般的には、目の前の事業を確実かつ安全に、費用対効果の高い方法で回しながら、膨大なプロジェクトや投資機会を評価のうえ、最適化し、イノベーションとサステナビリティの適切なバランスを確保することが必要になります。

どのプロジェクトを組合わせれば最大の価値を実現できるでしょうか?新たなテクノロジーの進歩や普及のためには、いつイノベーションに投資するべきでしょうか?既存のインフラを安全かつ確実に強化するためには、どのようなタイミングでメンテナンスやアップグレードを優先するべきでしょうか?

電気、天然ガス、水、石油・ガス、運送などの資産集約型の業界にとって、これらの戦略的判断を下し、判断に対する説明責任を負い、関係者からの精査に備えることが、今まで以上に難しくなっています。スプレッドシートやスタンドアロン型のツールでは達成できない、高度な意思決定が求められます。

Copperleafのソリューション

Copperleafは、その意思決定を支えます。Copperleaf Decision Analytics Solutionは、インフラ管理会社が業績を最大化し、リスクを管理すると同時に、ESG目標を達成できる投資先インフラと投資時期について判断することをサポートするソリューションです。支援する重要インフラの価値は25か国で2.3兆ドルを超えています。

先月リリースしたCOP26関連のブログでは、Copperleafのソリューションを活用して矛盾のない透明な判断を下し、資本効率と環境への影響を最適化しているお客様の具体例をご紹介しました。

  • National Grid:Copperleafを利用し、サステナビリティ目標の達成を促すほか、最適なインフラ投資に関する判断を下しています。
  • Anglian Water:資本コストを削減しつつ、2030年までのネットゼロ達成目標に向けて順調に進んでいます。
  • Endeavour Energy:安全および環境上のリスクを抑えると同時に、投資ポートフォリオの資本効率を向上させています。
  • Salt River Project:同社の意思決定の精神には、ESGおよびサステナビリティ目標が組み込まれています。

10年以上に渡り、世界的に評価の高い組織がCopperleafのサポートを利用し、リスク管理、業績向上、サステナビリティ目標の促進のためのプランを策定しています。ネットゼロ目標の達成に向けて新たな一歩を踏み出す際は、是非Copperleafにご相談ください。

 

著者について

Copperleaf米国担当マネージングディレクターを務めるダーウェンは、優れた組織を編成し、データ関係者以外でもデータサイエンスを活用できる製品を制作する分野で豊富な経験を有します。経営コンサルティングとコンピューターサイエンスの経歴を活かし、テクノロジーでビジネスニーズに応え、目に見える成果をお客様へ提供することを常に意識しています。